もくじ
アトピー性皮膚炎:10年使ったステロイドをやめたものの、リバウンドがつらくて挫折しそうです (23歳/男性)
ステロイド離脱の専門家にサポートしてもらいましょう。
アレルギーとは、ある特定の物質にたいして過敏に反応することを指し、
アレルギーの原因となる特定の物質を、抗原(アレルゲン)と呼びます。
なにが抗原になるかは人それぞれで、卵やそばなど特定の食品、花粉、ダニ、
ハウスダストなど、さまざまなものがあります。
アレルギー疾患には、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなど、
いろいろな種類がありますが、発症するしくみは共通しています。
体内に入ってきた異物をリンパ球が抗原と認識すると、
抗体というタンパク質を作って排除しようとします。
これを抗体抗原反応といいます。
この反応が生じる過程では、
プロスタグランジンやロイコトリエン、ヒスタミンなど、
発熱、炎症、かゆみ、発疹などを起こす物質がかかわり、
不快な症状が次々に現れます。
副交感神経が過度に優位な人はリンパ球が多く、
抗体抗原反応が強くなるので、一連のアレルギー症状も強く出ます。
子ども時代は副交感神経が優位でリンパ球が多いので、
あなたのようにぜんそくが終わるとアトピー性皮膚炎になるというように、
アレルギーを起こしやすくなります。
しかし、成長に伴って自律神経のバランスがとれてくると、
顆粒球が増えリンパ球数が減る影響で、アレルギー疾患は自然に治ります。
大学に入ってからアトピーが目に見えてよくなったということです。
あなたが気づいておられるように、テニスサークルで運動をする機会が増えたことで、
交感神経が適度に刺激され、副交感神経の過剰な働きが抑えられ、
リンパ球過剰体質が改善されたからでしょう。運動を行って血流がよくなれば、
抗原を洗い流すことができるので、アレルギー反応も起こりにくくなります。
この流れを進めていけば、早晩、アトピーは完治していたものと思われます。
しかしそうはならず、社会人になってからアトピーが再燃しました。
その原因は仕事上のストレスであり、アトピーを難治化させたのがステロイドです。
ストレスが強くかかると、交感神経緊張状態に陥り血流障害と低体温が生じ、
顆粒球が増えるために、皮膚組織の破壊が進行します。
ステロイドを使うことで、悪い流れに拍車がかかったのです。
時間はかかっても、リバウンドの先には治癒が待っています。
いまはつらいと思いますが、希望を持ちましょう。
今後は医師や治療家の助けを借りるだけでなく、
ご自身でも治癒を促すための養生を行ってください。
血流を整え、体温を上げることが肝心ですから、運動で汗を流したり、
ストレッチや体操を行って体の柔軟性を高めるとよいでしょう。
ステロイドをやめたことで、大きなマイナス要因が1つ減りました。
今後はストレスから逃れる工夫をしましょう。
新入社員ということで、仕事で失敗したり、
上司から注意を受けることもしばしばあり、ストレスがたまっているということです。
仕事にまつわるストレスを減らすための一助となるのが、日記をつけることです。
簡単なメモ程度でいいので、ご自身の行動の記録をつけてみましょう。
あとで読み返すと、意外と些細なことが多いのに気づくはずです。
もし失敗の原因が自分が犯した仕事上のミスなら、
ミスはミスとして認め、勉強だと思い、次回から気をつければよいのです。
ただし、自分を神経質に分析し過ぎるとストレスになるので、
これもほどほどにしましょう。
ミスをしても、上司に怒られても、明けぬ夜明けはありません。
その日にあった嫌なことは、その日のうちに心の中で整理しておくことです。
悩んでもどうにもならないことはたくさんあります。
「なるようにしかならない」と開き直ることも生きていくうえでの知恵です。
先ほどお話ししたように体をよく動かすと、体温が上がり、体の柔軟性が増します。
体のコンディションがよくなると、同じようにストレスがかかっても、
柔らかく受けとめることができます。
ストレス対策は心身両面で進めていくことが大切です。