下肢の血管の動脈硬化によって引き起こされるのが「閉塞性動脈硬化症」。進行すると閉塞した血管の先には血液が届かないので、脚や足の指が壊疽を起こし、ひどくなると切断に至る。

もちろん、すぐに壊疽を起こすわけではなく、病状はI期からIV期に分類されている。

●I期しびれ、冷感(脚の冷たさを冷え性と思う人もいる)。

●II期間歇性跛行(かんけつせいはこう)。血流が悪いために一定の距離を歩くと脚の筋肉に痛みが出てきて痛くて歩けず、しばらく休むと歩き出せる。一定の距離が100メートルを切るとかなり進行している。

●III期安静時疼痛。歩かずに安静にしていても脚に痛みが出る状態。壊疽を起こしやすい段階にきている。

●IV期 潰瘍、壊疽。血液が足の先に行かないので、足に潰瘍ができ、ついには足が腐ってしまう。ここまでくると、脚を切断することになる。

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この閉塞性動脈硬化症の治療法には「薬物療法」のみならず、「カテーテル治療」「レーザー血管形成術」「バイパス手術」「血管新生療法」などがある。

薬物療法では、血栓のできるのを抑える抗血小板薬と、血管を広げる血管拡張薬を中心に使う。

カテーテル治療は、狭心症や心筋梗塞の治療で行われるバルーン療法と同じ血管内治療。閉塞した患部にカテーテルを通し、そこで風船をふくらませて閉塞を治す。その後、再狭窄を防ぐためにコイルを留置する。

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レーザー血管形成術は閉塞部近くまでカテーテルを挿入し、レーザー光を発して血栓を霧状に散らす療法。

バイパス手術は閉塞した動脈の代わりに静脈や人工血管を使ってバイパスをつくる治療である。

そして、血管新生療法。すでにいくつかの施設で行われているのが「HGF治療」である。

これは、肝細胞を増殖させる物質の遺伝子が血管を新しくつくることがわかり、それを使って行う治療である。脚にHGFを注射すると新生血管が誕生し、脚の血流が蘇る。

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また、京大では「bFGF治療」が行われている。bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)という人体内にある物質(床ずれの治療薬として製品化されている)を脚に注射する。

ほかにも、千葉大では、患者の血液から採った単核球を患部に移植して血管を新生させる「末梢血単核球細胞治療」が行われている。

治療方法は数多くあるものの、それでも日本ではこの病気で脚を切断する人が毎年1万人程度いると推定されている。

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食生活のワンポイント

50歳以上の人々に多い閉塞性動脈硬化症は、長い生活習慣によってつくり出されている。

原因は●肥満、●高血圧、●糖尿病、●高脂血症、●痛風・高尿酸血症、●喫煙、●ストレス、●運動不足、●遺伝的要因など。リスクを減らすため、若い時代から食生活には十分に気を配り、実践する必要がある。

(1)腹八分でよくかんで食べる。
(2)食塩の量は1日7グラムに抑える(めん類などの汁は残す)。
(3)脂肪は摂りすぎない(バターで炒めた料理をつくるときは、きのこを加えると血中コレステロールが低下する)。
(4)野菜をしっかり摂取する。
(5)海藻類を摂るようにする(海藻類にもコレステロール低下作用があるので、3食の中に上手にもり込もう)。
(6)内臓類は控える(肉類や魚の内臓は栄養価が高い一方で、コレステロールやプリン体が多いので、控えるよう努力するのが大事)。
  (7)間食はしないで規則正しい食生活&バランスの良い食生活。

基本的には、(1)と(7)につきるのである。