薬の相互作用

複数の薬を使う場合、薬と薬が干渉し合って、時には薬の作用を強めたり、時には弱めたりします。これを薬の相互作用と呼び、患者さんに説明するときには「薬の飲み合わせ」と表現したりします。

薬の相互作用は薬物治療を進めていく上で問題になるケースがあります。本来期待した薬の効果が出なかったり、予想した以上の副作用が出たりする可能性があるからです。

薬同士ばかりでなく、薬と特定の食品の間でも相互作用は起こり得ますから注意が必要です。薬の相互作用には大きく分けて次の2つの機序が存在しています。

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①薬物動態学的相互作用

(1)吸収過程:

小腸上皮のCYP(薬物代謝酵素チトクロームP450)、P糖タンパク質の存在、金属イオン、吸着剤など。

(2)分布過程:

血中アルブミンとの結合性、酸性タンパク質との結合性など。

(3)代謝過程:

CYPの阻害・誘導・競合、グルクロン酸転位酵素による抱合反応など。

(4)排泄過程:

尿細管トランスポーター、P糖タンパク質など。

②薬力学的相互作用

(1)作用点が同じ:作用の増強もしくは減弱。

(2)作用点が異なる:作用の増強もしくは減弱。

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