ガン患者にとって「オプジーボ」は 大好きな人に会う前の 晩のよう!
がんとの対話で眠っている免疫力を呼び覚ませ!
「死ぬ気がしない」医師の宣告へNO、「脱毛しない」抗がん剤の副作用へNO、自分で探した「オプジーボ」という治療法――。
反発心と自分を信じ抜く力で、ステージⅣを脱却した著者が語る、「がんに感謝する生き方」とは?
がんは日本人の2人に1人がかかる病気とされている中、がんを「悪」とすることは本当に正解なのか。
「これは私にだけ起きた奇跡ではありません」
もくじ
第三章 免疫力に働きかける
19 新薬オプジーボとは
これまでがん治療は、手術、化学療法、放射線療法が三本柱とされてきましたが、近ごろの研究により四本目の柱としてがん免疫療法が加わりました。
抗がん剤治療などの化学療法や放射線療法は、がん細胞を直接攻撃する治療法ですが、がん免疫療法は、人間の身体が本来持っている、がん細胞を叩く力、免疫機能を利用するものです。
オプジーボは、その免疫機能を高める薬剤として二〇一四年七月に承認許可され、メラノーマ(悪性黒色腫)という皮膚がんの一種が最初に保険適用されました。
二〇一五年十二月に肺がん(切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん)にも適用が広がり、さらに他のがんへも適用拡大されつつあります。
免疫機能が正常に働いていると、私たちの体はがん細胞を「自分ではないもの」と判定し、T細胞という免疫細胞ががんを攻撃します。
けれどがん細胞は攻撃されないように、PD-L1という物質をつくり出し、T細胞による攻撃にブレーキをかけます。オプジーボはそのブレーキ機能を外して、T細胞ががん細胞を攻撃する力を高める薬と言われています。
治療に際しては、オプジーボに含まれる成分に対してアレルギー反応がないかどうか、既往症に対して問題がないかどうかなど慎重に検査されます。
体に合わないと、肺に空気を取り込むことができなくなる「間質性肺疾患」などの重い副作用を引き起こす場合もあるからです。
さまざまな検査を受けて一週間経ったころ、看護師さんが私の病室へやって来て、
「村松さんよかったですね、明日オプジーボが受けられますよ。おめでとうございます!」
と結果を報告してくれました。
「わぁよかったー! よろしくお願いします!」
念願の「合格通知」を受け取って、私は喜びでいっぱいになり、大好きな人に会う前の晩のように、次の日が来るのが待ち遠しくてたまりませんでした。
免疫療法の
オプジーボが
受けられる喜びを
噛み締めた。
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