局所麻酔薬の内服薬339

登録販売者用の学習会資料を作成していると、対象が一般用薬のため、医療用としては古くから使われている薬によく出会います。今回は一般用薬では第2類医薬品に分類されているオキセサゼイン(医療用ではストロカインⓇ錠)がらみで局所麻酔薬について「ラング・デール薬理学原著8版」(2018年)の内容を基に復習してみます。

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(1)痛みの刺激伝導

末梢(いろいろな部位がありますが)での刺激が神経終末の侵害受容体に加わると、Na+チャネルを介した活動電位が発生して、Naチャネルの開閉が次々と求心性(脳へ向かって)に神経を伝わり、途中シナプス(神経と神経の間の接続部分)を介しながら最終的に大脳で痛みを感じることになります。この痛覚を上位中枢に伝える求心性の神経にはC線維とAδ線維の2種類があります。概略を図31で示します。

図31

(2)局所麻酔薬の作用

局所麻酔薬には痛みの発生源であるNaチャネルによる活動電位が起こらないようにする働きがあります。つまりNaチャネル阻害薬と言ってよいでしょう。Naチャネル阻害薬としては抗不整脈薬のⅠb群リドカイン(キシロカインⓇ)がありますが、局所麻酔薬としても利用されています。

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(3)局所麻酔薬の物性

多くの局所麻酔薬は弱塩基性で、酸解離定数(pKa)は8~9です。弱塩基性物質はHB+⇄H++Bの解離をしますので、パスカラニュース235号でも紹介していたHenderson-Hasselbalchの式では、pKa-pH=log(HB+/B)となり、生理的条件(pH7前後)ではイオン化薬物(HB+)が多くなります。

局所麻酔薬の作用点は、軸索神経に存在しているNaチャネルの通路の途中にあるとされています。そこへ到達するためには軸索神経細胞内に吸収される必要があるのですが、非イオン化薬しか細胞膜を通過できないため、局所麻酔薬の場合、生理的条件下では少ない量の非イオン化薬しか細胞内に到達できません。

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さらにNaチャネルの細孔の中にあるアミノ酸と相互作用して物理的に孔をふさぐためには、今度は逆に薬はイオン化する必要があります。つまり局所麻酔薬は細胞内に入るときは非イオン化、侵入して作用部位をアタックするときにはイオン化しないといけない何とも面倒な薬なのです。

しかし、非イオン化した薬もNaチャネルのpH7になっている細孔の中に出てしまうと、その多くがイオン化するので問題はないようです。結局、投与された薬剤の数よりかなり少ない数が実際には作用していると考えられます。

また、作用部位をアタックする2つの経路(図32)があるとされています。

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図32
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