リウマチの痛みからくるストレスがつらいです。どう対処すればよいのでしょう? (51歳/女性/会社員)
もくじ
痛みの意味を理解しましょう。
痛み止めに頼りきらずに養生できます。
これまで私は機会あるごとに、消炎鎮痛剤の健康被害について指摘してきました。
だからといって「痛み止めを絶対に使ってはいけない」と言っているのではありません。
薬には、直接症状を抑えこむだけでなく、体を楽にして安心感をもたらす効果もあります。
こうした薬のメリットをすべて否定しているわけではないのです。
痛みがストレスになるかどうか?
といえば、間違いなくストレスだと思います。
体のどこかが痛ければつらいですし、気持ちも落ち込みます。
目を開けていられないほど頭痛がするとか、腰痛がひどくて眠れないという場合は、
薬で痛みをやわらげたらよいと思います。
症状の激しい急性期は、ストレスを軽減する目的で、
対症療法として薬を使う価値はあります。
問題は、対症療法がすべてになって、
慢性期も薬を使い続けてしまうことです。
消炎鎮痛剤は交感神経を緊張させ血流障害を招きます。
そもそも病気は交感神経の緊張によって引き起こされているのですから、
薬を使い続ければ治癒と逆行することになります。
痛みはたしかにストレスですが、薬を使い続けることも、
体にとって間違いなくストレスなのです。
しかも、新たな病気を上乗せする元凶でもあります。
痛み止めを使用するなら短期間にとどめる。
この原理原則さえおさえておけば、痛み止めに依存しなくなるはずです。
では、あなたのように十数年リウマチの痛みを抱えている場合、
どのように対処すればいいのでしょうか。その答えを得るには、
リウマチが発症するしくみを理解することが大切です。
関節リウマチは、手や足、肩、ひざなど、体のあちこちの関節内で炎症が起こり、
痛みやこわばりが生じる病気です。病気の進行に伴って関節のはれが重症化し、
関節が変形したり動かせなくなったりします。
関節破壊が起こるしくみを、
現代医学は過剰な免疫反応によるものと捉え、
リウマチを自己免疫疾患と位置づけています。
本来は外敵を攻撃するリンパ球が、誤って自分の細胞を破壊し、
関節の炎症を引き起こしているという解釈です。
そこで、関節の炎症をとるために、ステロイドや免疫抑制剤、
消炎鎮痛剤などを用いてリンパ球の過剰な
反応を抑えることが治療とされているわけです。
以上の説明は、患者さんも病院で聞いていると思います。
しかし私は、リウマチは過剰な免疫反応で生じている病気ではなく、
免疫が抑制されて生じる病気であることを明らかにしています。
具体的にご説明しましょう。
リウマチの患者さんの血液を調べると、白血球のうちの顆粒球が顕著に増加しています。
関節液の中の白血球は、その98%が顆粒球で占められている患者さんも珍しくありません。
顆粒球が過剰になると活性酸素の放出量が増えるため、関節の破壊も進行します。
すると、関節内には、活性酸素で破壊され、異常をきたした自己細胞が増加します。
異常になった自己細胞にたいしては、
胸腺外分化T細胞や自己抗体産生B細胞が処理にあたります。
外来の敵を処理するリンパ球は進化の新しい免疫系であり、
自分自身の細胞を処理するこちらのリンパ球は古い免疫系です。
古い免疫系が活性化しているときは、新しい免疫系のリンパ球の数は減ります。
つまり、リウマチは(新しい)免疫系が抑制された、
免疫抑制の病気と考えることができます。
先に述べたように、現代医学はリウマチを過剰な免疫反応と捉え、
免疫を抑えこむステロイドや免疫抑制剤、消炎鎮痛剤などを治療に用います。
これでは免疫が極限まで低下して、いつまでたっても病は癒えません。